Artwork

İçerik 藤 真一 tarafından sağlanmıştır. Bölümler, grafikler ve podcast açıklamaları dahil tüm podcast içeriği doğrudan 藤 真一 veya podcast platform ortağı tarafından yüklenir ve sağlanır. Birinin telif hakkıyla korunan çalışmanızı izniniz olmadan kullandığını düşünüyorsanız burada https://tr.player.fm/legal özetlenen süreci takip edebilirsiniz.
Player FM - Podcast Uygulaması
Player FM uygulamasıyla çevrimdışı Player FM !

148 第137話

15:34
 
Paylaş
 

Manage episode 344210383 series 2621156
İçerik 藤 真一 tarafından sağlanmıştır. Bölümler, grafikler ve podcast açıklamaları dahil tüm podcast içeriği doğrudan 藤 真一 veya podcast platform ortağı tarafından yüklenir ve sağlanır. Birinin telif hakkıyla korunan çalışmanızı izniniz olmadan kullandığını düşünüyorsanız burada https://tr.player.fm/legal özetlenen süreci takip edebilirsiniz.
このブラウザでは再生できません。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら

「まぁ座れ。」
言われるがままに紀伊はそこに座った。
「回りくどいことは無しや。直球で行く。」
「…。」
「ビショップは空閑。空閑光秀。金沢の進学塾の経営者兼講師。ほうやな。」
目の前に座る片倉とは彼は目を合わせず無言である。
「黙秘か…。」
あきれた顔で彼の様子を見た片倉はため息をついた。
「紀伊、お前には期待しとってんけどなぁ…。残念だよ。」
「…。」
「ま、どうせ一生しゃべるつもりないんやろ。ほうやろうからこっちからしゃべらせてもらうわ。」
こう言って片倉は両足を目の前の机の上に乗せる。
「クイーンは光定公信。ナイトは朝戸慶太。ビショップは空閑光秀。んでキングは椎名賢明ってわけか。まるでチェスやな。」
「…。」
「チェスやとしたら他にはルークとポーンが居るはずや。お前はどっちや?」
「…。」
「警視庁公安特課機動捜査班のお前がまさかポーン、つまり使いっ走りの歩兵と言うことはねぇやろう。」
「…。」
「ルークはお前や紀伊寛治。」
「…。」
「そうやとしたらなんか見えてくるもんがある。」
「…。」
「ポーンは不特定多数の市民や。」
片倉のこの言葉に紀伊の表情にわずかな変化があった。
「ぶっ壊せ。ぶっ潰せ。」
「…。」
「これお前らの仕業ねんろ。あ?」
「…。」
「さっきの電話のやりとりでピンときたわ。椎名がキングって聞いた瞬間な。椎名の奴、個人的に動画編集の仕事を請け負っとるやろう。ちゃんねるフリーダムの制作責任者がゲロしたわ。なんやら金積まれてそいつが協力しとったらしいな。ぶっ壊せ動画をサブリミナルでぶち込むのに。」
「…。」
「んでそれだけだと今ひとつとでも思ったんやろうかね。椎名はウチの娘に直接接触した。」
「…。」
「5月1日のテロに関係するんか?」
「…。」
「椎名賢明。この男の詳細を紀伊、お前は知ってのことなんやろうな。」
この時初めて紀伊は片倉の顔を見た。
しばしの間無言の状態が続いた。
「はぁ…紀伊…。お前調べる側はまあまあ優秀やと思うけど、調べられる方はどうもセンスがない。」
「…。」
「目は口ほどにものを言う。お前、椎名の正体を知らんままあいつと行動を共にしとったって訳か…。」
「正体とは…。」
「言える訳ねぇやろ。だら。」
「…。」
「ま、いいわ。」
こう言って片倉は席を立った。
「俺の離席が多いのを良いことに派手にやり過ぎたな、紀伊。」
「…。」
「ここ数日間、お前の行動はつぶさに監視させてある。どう言い訳しようがお前の企みの大体はわかる。」
「う…。うう…。」
俯いた紀伊がうめき声のような者を発した。
「おいおい、これからやろうが。早くも完落ちとか、肩すかすような真似はやめ…。」
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
紀伊の様子がおかしい。
「おい、どうした。」
異変に気がついた片倉は俯く彼の抱き起こす。
彼の口からは唾液が漏れ出し、その呼吸は荒い。
「おい。しっかりしろ!紀伊!」
体を揺さぶり名前を呼ぶも、紀伊の体は脱力しきり、目は白目をむいている状態。明らかに異変が生じていることを感じとった片倉は記録係に救急車を呼ぶよう指示を出す。
「おい!しっかりしろ!紀伊!紀伊!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
電話の音
「はい公安特課富樫です。あ、片倉班長。岡田課長ですね、お待ちください。」
うなずく富樫を見て岡田はそれに出た。
「岡田です。」
「なんや通信障害って。」
「分からんがです。警察携帯で通話できんのです。」
「…テロの類いか。」
「分かりません。」
「調べてこっちに報告してくれ。」
「はい。」
「で何や。」
「椎名の件です。」
「…椎名がどうした。」
「特高、うちらを差し置いて独自に椎名の管理しとるんでしょう。」
「は?何のこと?」
「惚けんでください。こっちは捜査員二名が犠牲になったんです。」
「捜査員二名犠牲?」
「あれ…まだそっちまで話、行ってませんか。」
「おう。ってか何や、何があったんや。」
「はぁ…。」
「あのー岡田が言っとることの半分も理解できてないんやが、俺。」
富樫を見ると彼は口をへの字して、肩をすくめてそれに応えた。
「本当に何も知らんがですか。」
「知らん。ってか何があった。」
「…。」
「ってかなんでそっちも椎名なんや。」
「…え?」
「わかった。なんかお前の物言い、俺の方に何か知らん疑いをかけとる感じやしこっちからお前に報告するわ。」
「あ…えぇ…。」
「キングが誰か分かった。」
「え?」
「キングは椎名や。んでルークはウチの捜査員、紀伊寛治。」
「ええっ!」
岡田も富樫も声を出した。
「そのルークなんやけど、俺の調べ中に容態が急変。いま病院に救急搬送されたところや。」
「なんで?」
「知らんわい。急に息が荒くなって白目むいてよだれ垂らし出した。」
「なんだ…それ…。」
「岡田、お前椎名が何やって言うんや。」
岡田は先ほどのネットカフェでの爆発事件の一部始終を片倉に説明した。
「捜査員二名が死亡…。」
「はい。」
「当の椎名は?」
「いま自宅です。」
「伊藤拓哉の行方は。」
「掴めていません。」
片倉はため息をついた。
「まさかほんなことになっとるとは…。」
「ここ数時間で石川の情勢はめまぐるしく動いとります。」
「そのようやな…。」
「で、その椎名なんですがどうも我々石川の公安特課をすっ飛ばしておたくの人間と連絡を取りあっとるようやったんです。そこで片倉班長に直接ぶつけてみようということで、今回の電話です。」
「まぁお前の言うとおり椎名が怪しい行動しとるとすっと、ウチの紀伊がその受け皿になっとった可能性があるってわけや。」
「はい。」
「ただそこがちょっと首をかしげる点でな。」
「どういうことです?」
「紀伊が倒れる前、気になる事言っとってぃや。」
「なんですか。」
「どうも紀伊自身は椎名が仁川征爾やってことを知らんかったみたいなんや。」
「え?」
「え?やろう。」
「じゃあ紀伊はどうやって椎名と接点を持ったんですか?」
「わからん。俺はてっきり紀伊がどこかで椎名が仁川征爾やって事を聞きつけて、奴と何らかの接点を持とうとしたんじゃないかって思ったんやろうと踏んだ。けどどうも違う。」
「椎名賢明というただの一市民と特高職員が、個人的に接点を持つってのはどうも合点がいきませんね。」
「ほやろ。」
「石川の公安特課の職員が椎名と接点を持つなら未だしも、東京の特高職員ですから。」
「あいつが仁川が東京で保護されとった時代に、それに何らかの関わりがあったって言うんなら納得がいくんやけど…。」
ここで片倉は黙り込んだ。
「あの…班長?」
「…保護されとった時代…。」
「何か心当たりが?」
「いや、なんでもない。」
片倉が石川の公安特課を差し置いて、独自に椎名の管理をしていたのではないかという岡田の疑念はこの段階で完全に晴れていた。反面、椎名の存在が脅威としてしか映らなくなっていた。
「班長。椎名のガラ抑えましょう。」
「…。」
「奴の周りで人が立て続けに死んどります。」
「だな。」
「良いですか。」
「待て。」
「なぜ。」
「5月1日金曜の対応は明日、4月30日木曜の午前に判断される。もしも椎名がキングとしてそのチェス組の司令塔をやってるとすれば、まだこれから何らかの動きを見せるはず。その瞬間を抑える方向で行こう。」
「しかし…。」
「この件は俺が百目鬼理事官に判断を仰ぐ。それまでは今まで通り監視を怠るな。」
岡田は唇をかみしめた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「と言う状況です。」
片倉の電話での説明を聞き終えた百目鬼は席を立った。
そして室内をうろうろと歩き出した。
「モグラは紀伊だけじゃない。」
「は?」
「先ほど病院から連絡があってな。紀伊に有機リン系神経剤の典型的な症状が見受けられるらしい。」
「神経剤?」
「そう神経剤。」
「え…まさか…。」
「わからん。ただノビチョクも同じ有機リン系の神経剤だ。」
「え…どのタイミングで…。」
「知らん。しかしもしも紀伊の症状が本当に神経剤によるものだとしたら片倉、お前のところの誰かがそれを盛ったってことになる。」
「え、でも…どうやって…。」
「なにか思い当たる節はないか。」
片倉は記憶をたどる。
電話を切った紀伊がこちらに振り向いた。
驚きのあまり彼は手にしていた紙コップを床に落とした。
拾い上げたそれの中は空だった。
「ひょっとして…。」
「どうした。」
「理事官、ちょっと自分も気分が悪くなってきました…。」
「え?」
「あれかもしれません…。紀伊が飲んだコーヒーかなんかやと思います…。」
「おい、片倉?」
「か…み…コップ…。」
片倉はその場で崩れ落ちた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【Twitter】
https://twitter.com/Z5HaSrnQU74LOVM
ご意見・ご感想・ご質問等は公式サイトもしくはTwitterからお気軽にお寄せください。
皆さんのご意見が本当に励みになります。よろしくおねがいします。
すべてのご意見に目を通させていただきます。
場合によってはお便り回を設けてそれにお答えさせていただきます。
  continue reading

100 bölüm

Artwork

148 第137話

オーディオドラマ「五の線3」

0-10 subscribers

published

iconPaylaş
 
Manage episode 344210383 series 2621156
İçerik 藤 真一 tarafından sağlanmıştır. Bölümler, grafikler ve podcast açıklamaları dahil tüm podcast içeriği doğrudan 藤 真一 veya podcast platform ortağı tarafından yüklenir ve sağlanır. Birinin telif hakkıyla korunan çalışmanızı izniniz olmadan kullandığını düşünüyorsanız burada https://tr.player.fm/legal özetlenen süreci takip edebilirsiniz.
このブラウザでは再生できません。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら

「まぁ座れ。」
言われるがままに紀伊はそこに座った。
「回りくどいことは無しや。直球で行く。」
「…。」
「ビショップは空閑。空閑光秀。金沢の進学塾の経営者兼講師。ほうやな。」
目の前に座る片倉とは彼は目を合わせず無言である。
「黙秘か…。」
あきれた顔で彼の様子を見た片倉はため息をついた。
「紀伊、お前には期待しとってんけどなぁ…。残念だよ。」
「…。」
「ま、どうせ一生しゃべるつもりないんやろ。ほうやろうからこっちからしゃべらせてもらうわ。」
こう言って片倉は両足を目の前の机の上に乗せる。
「クイーンは光定公信。ナイトは朝戸慶太。ビショップは空閑光秀。んでキングは椎名賢明ってわけか。まるでチェスやな。」
「…。」
「チェスやとしたら他にはルークとポーンが居るはずや。お前はどっちや?」
「…。」
「警視庁公安特課機動捜査班のお前がまさかポーン、つまり使いっ走りの歩兵と言うことはねぇやろう。」
「…。」
「ルークはお前や紀伊寛治。」
「…。」
「そうやとしたらなんか見えてくるもんがある。」
「…。」
「ポーンは不特定多数の市民や。」
片倉のこの言葉に紀伊の表情にわずかな変化があった。
「ぶっ壊せ。ぶっ潰せ。」
「…。」
「これお前らの仕業ねんろ。あ?」
「…。」
「さっきの電話のやりとりでピンときたわ。椎名がキングって聞いた瞬間な。椎名の奴、個人的に動画編集の仕事を請け負っとるやろう。ちゃんねるフリーダムの制作責任者がゲロしたわ。なんやら金積まれてそいつが協力しとったらしいな。ぶっ壊せ動画をサブリミナルでぶち込むのに。」
「…。」
「んでそれだけだと今ひとつとでも思ったんやろうかね。椎名はウチの娘に直接接触した。」
「…。」
「5月1日のテロに関係するんか?」
「…。」
「椎名賢明。この男の詳細を紀伊、お前は知ってのことなんやろうな。」
この時初めて紀伊は片倉の顔を見た。
しばしの間無言の状態が続いた。
「はぁ…紀伊…。お前調べる側はまあまあ優秀やと思うけど、調べられる方はどうもセンスがない。」
「…。」
「目は口ほどにものを言う。お前、椎名の正体を知らんままあいつと行動を共にしとったって訳か…。」
「正体とは…。」
「言える訳ねぇやろ。だら。」
「…。」
「ま、いいわ。」
こう言って片倉は席を立った。
「俺の離席が多いのを良いことに派手にやり過ぎたな、紀伊。」
「…。」
「ここ数日間、お前の行動はつぶさに監視させてある。どう言い訳しようがお前の企みの大体はわかる。」
「う…。うう…。」
俯いた紀伊がうめき声のような者を発した。
「おいおい、これからやろうが。早くも完落ちとか、肩すかすような真似はやめ…。」
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
紀伊の様子がおかしい。
「おい、どうした。」
異変に気がついた片倉は俯く彼の抱き起こす。
彼の口からは唾液が漏れ出し、その呼吸は荒い。
「おい。しっかりしろ!紀伊!」
体を揺さぶり名前を呼ぶも、紀伊の体は脱力しきり、目は白目をむいている状態。明らかに異変が生じていることを感じとった片倉は記録係に救急車を呼ぶよう指示を出す。
「おい!しっかりしろ!紀伊!紀伊!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
電話の音
「はい公安特課富樫です。あ、片倉班長。岡田課長ですね、お待ちください。」
うなずく富樫を見て岡田はそれに出た。
「岡田です。」
「なんや通信障害って。」
「分からんがです。警察携帯で通話できんのです。」
「…テロの類いか。」
「分かりません。」
「調べてこっちに報告してくれ。」
「はい。」
「で何や。」
「椎名の件です。」
「…椎名がどうした。」
「特高、うちらを差し置いて独自に椎名の管理しとるんでしょう。」
「は?何のこと?」
「惚けんでください。こっちは捜査員二名が犠牲になったんです。」
「捜査員二名犠牲?」
「あれ…まだそっちまで話、行ってませんか。」
「おう。ってか何や、何があったんや。」
「はぁ…。」
「あのー岡田が言っとることの半分も理解できてないんやが、俺。」
富樫を見ると彼は口をへの字して、肩をすくめてそれに応えた。
「本当に何も知らんがですか。」
「知らん。ってか何があった。」
「…。」
「ってかなんでそっちも椎名なんや。」
「…え?」
「わかった。なんかお前の物言い、俺の方に何か知らん疑いをかけとる感じやしこっちからお前に報告するわ。」
「あ…えぇ…。」
「キングが誰か分かった。」
「え?」
「キングは椎名や。んでルークはウチの捜査員、紀伊寛治。」
「ええっ!」
岡田も富樫も声を出した。
「そのルークなんやけど、俺の調べ中に容態が急変。いま病院に救急搬送されたところや。」
「なんで?」
「知らんわい。急に息が荒くなって白目むいてよだれ垂らし出した。」
「なんだ…それ…。」
「岡田、お前椎名が何やって言うんや。」
岡田は先ほどのネットカフェでの爆発事件の一部始終を片倉に説明した。
「捜査員二名が死亡…。」
「はい。」
「当の椎名は?」
「いま自宅です。」
「伊藤拓哉の行方は。」
「掴めていません。」
片倉はため息をついた。
「まさかほんなことになっとるとは…。」
「ここ数時間で石川の情勢はめまぐるしく動いとります。」
「そのようやな…。」
「で、その椎名なんですがどうも我々石川の公安特課をすっ飛ばしておたくの人間と連絡を取りあっとるようやったんです。そこで片倉班長に直接ぶつけてみようということで、今回の電話です。」
「まぁお前の言うとおり椎名が怪しい行動しとるとすっと、ウチの紀伊がその受け皿になっとった可能性があるってわけや。」
「はい。」
「ただそこがちょっと首をかしげる点でな。」
「どういうことです?」
「紀伊が倒れる前、気になる事言っとってぃや。」
「なんですか。」
「どうも紀伊自身は椎名が仁川征爾やってことを知らんかったみたいなんや。」
「え?」
「え?やろう。」
「じゃあ紀伊はどうやって椎名と接点を持ったんですか?」
「わからん。俺はてっきり紀伊がどこかで椎名が仁川征爾やって事を聞きつけて、奴と何らかの接点を持とうとしたんじゃないかって思ったんやろうと踏んだ。けどどうも違う。」
「椎名賢明というただの一市民と特高職員が、個人的に接点を持つってのはどうも合点がいきませんね。」
「ほやろ。」
「石川の公安特課の職員が椎名と接点を持つなら未だしも、東京の特高職員ですから。」
「あいつが仁川が東京で保護されとった時代に、それに何らかの関わりがあったって言うんなら納得がいくんやけど…。」
ここで片倉は黙り込んだ。
「あの…班長?」
「…保護されとった時代…。」
「何か心当たりが?」
「いや、なんでもない。」
片倉が石川の公安特課を差し置いて、独自に椎名の管理をしていたのではないかという岡田の疑念はこの段階で完全に晴れていた。反面、椎名の存在が脅威としてしか映らなくなっていた。
「班長。椎名のガラ抑えましょう。」
「…。」
「奴の周りで人が立て続けに死んどります。」
「だな。」
「良いですか。」
「待て。」
「なぜ。」
「5月1日金曜の対応は明日、4月30日木曜の午前に判断される。もしも椎名がキングとしてそのチェス組の司令塔をやってるとすれば、まだこれから何らかの動きを見せるはず。その瞬間を抑える方向で行こう。」
「しかし…。」
「この件は俺が百目鬼理事官に判断を仰ぐ。それまでは今まで通り監視を怠るな。」
岡田は唇をかみしめた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「と言う状況です。」
片倉の電話での説明を聞き終えた百目鬼は席を立った。
そして室内をうろうろと歩き出した。
「モグラは紀伊だけじゃない。」
「は?」
「先ほど病院から連絡があってな。紀伊に有機リン系神経剤の典型的な症状が見受けられるらしい。」
「神経剤?」
「そう神経剤。」
「え…まさか…。」
「わからん。ただノビチョクも同じ有機リン系の神経剤だ。」
「え…どのタイミングで…。」
「知らん。しかしもしも紀伊の症状が本当に神経剤によるものだとしたら片倉、お前のところの誰かがそれを盛ったってことになる。」
「え、でも…どうやって…。」
「なにか思い当たる節はないか。」
片倉は記憶をたどる。
電話を切った紀伊がこちらに振り向いた。
驚きのあまり彼は手にしていた紙コップを床に落とした。
拾い上げたそれの中は空だった。
「ひょっとして…。」
「どうした。」
「理事官、ちょっと自分も気分が悪くなってきました…。」
「え?」
「あれかもしれません…。紀伊が飲んだコーヒーかなんかやと思います…。」
「おい、片倉?」
「か…み…コップ…。」
片倉はその場で崩れ落ちた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【Twitter】
https://twitter.com/Z5HaSrnQU74LOVM
ご意見・ご感想・ご質問等は公式サイトもしくはTwitterからお気軽にお寄せください。
皆さんのご意見が本当に励みになります。よろしくおねがいします。
すべてのご意見に目を通させていただきます。
場合によってはお便り回を設けてそれにお答えさせていただきます。
  continue reading

100 bölüm

Tüm bölümler

×
 
Loading …

Player FM'e Hoş Geldiniz!

Player FM şu anda sizin için internetteki yüksek kalitedeki podcast'leri arıyor. En iyi podcast uygulaması ve Android, iPhone ve internet üzerinde çalışıyor. Aboneliklerinizi cihazlar arasında eş zamanlamak için üye olun.

 

Hızlı referans rehberi